はい、どうもこんにちは、七堂です。
今年の新人教育を担当したのですよ。
珍しいな
そうね。今までは出世ルートを外れていたから……。実力がそれなりにあっても、評価されなかったのですよね。(同僚と一緒に二人で派遣先をやめたら、中国人が引き継ぎとして10人入ってきたくらいのエンジニアです。)
ほぼトランスして、転職したら、急激に評価されるようになって、今回は教育係ですわ。
そこで、Z世代の新人さんたちを受け持ったのですが……。
「ゆとり世代の自分たちと比べて、ヤバくね?」って思ってしまったのですよ。
どうやばいの?
うーん何ていうのだろう? 仕事に対する「行動資本」が、ゆとり、氷河期世代と比べて皆無なのです。
Z世代新人さんの状態は?
私の努めている会社は独立系SIの会社です。商流は一次請けなので、多重派遣がはびこるITエンジニア界隈では、スキルも責任も報酬も上のレイヤーになるかなと。
そんな会社に就職してくる新人さんなのですが……。スキルが圧倒的に低いのですよね……。
スキルが低い?
新人さんだから当たり前だと思うじゃないですか? そのレベルがびっくりするくらいなのです。
一言で表すなら、「ここ10年で一番ひどい出来」
ボジョレー・ヌーヴォーかよ!
ゆとり世代では、独学で勉強して、プログラミングの初歩の変数や定数の考え方くらいは身についていました。新人でも簡単なフレームワークでミニアプリくらいは作れて、ブラインドタッチができるくらいが普通です。
でも、今のZ世代は、プログラミングを初めて触るような子が入ってくるのです。先輩社員(私にとっては後輩社員)が「変数とはこういうもので〜」ってレベルの話から説明していて、残念な気分になりました。
なんだ恒例の若者叩きか……
私達の世代も「これだからゆとりは」って言われてきた世代ではあります。ですが、ひとつ上の氷河期世代とは似たような空気を感じました。
Z世代は明らかに違う。
自走力についても、新人さんの上位20%以外は、仕事を振ったときも、1から5まで伝えて、自分で調べて解決策を見つけることが困難です。インターネットがあるのにね。
一から全を教えないと、全く動けないし、指示以外の提案をしてくれるようなこともありません。
うちらの世代(ゆとり世代)勝手に行動して怒られるやつ、多くない?
ピアノで「猫ふんじゃった」を弾かせるのに、楽譜にドレミ振るのではなく、どのタイミングで、どのキーボートを押すのかを教えている感じです。
新人なら当たり前では?
管理職はそう言うけど、違和感がすごいんだって!
自分たちゆとり世代と比べて、明らかに新人さんの質が下がっていると感じるのです。
Z世代への違和感は仕事における行動資本?
そこで、なんのエビデンスもないのですが、Z世代とゆとり以前の世代の違いを考察してみました。
それは仕事における「行動資本」だと思うのですよ。
また新しい定義を……ってか「最近の若者は」論やん
せやね。年寄りの戯言だと思ってもらえれば!
行動資本とは、ソシャゲにおけるスタミナです。スタミナの最大値がないと、難しいダンジョンに潜り込めないし、周回をして素材を集める事もできません。
例えがソシャゲの体力ぇ……
そして、難しいダンジョンに挑戦すると、経験値がもらえ、更にスタミナ(行動資本)の上限が上がっていきます。
一昔まえのエンジニア界隈なら、テストやプログラミングでスタミナの上限を上げて、設計や要件定義、PL業務、企画に挑戦していく感じでしょうか?
そして、Z世代はその行動資本が低いと?
Z世代は行動資本が、著しく低いのです。
あ、私生活における行動資本は高いよ。 スマホが普及して、データや人にアクセスしやすくなったわけですから。
海外旅行していたり、クルーザー乗ってみたり、SNSの付き合いで演奏会を開いてみたり。
でも、仕事に対する行動資本が低いのです。私達ゆとり世代以降なら、新しい言語のPJに配属されたら、帰りの電車や自宅で勉強するのが普通じゃないですか? FWの勉強するじゃないですか? 新しい技術の勉強をするじゃないですか?
ブラック企業出身者感……
まぁ。そうでもしないと、社会から淘汰されていたからね。
ゆとり世代で言えば、リーマンショックで新卒カードを台無しにされて、勉強して転職バブルで立て直している人が多いし。
そう行動できなかった人は、非正規雇用になって、会社の先輩としての立場からフェードアウトしているし。
氷河期世代なんて、転職が普通でなかったのだから、ゆとり世代よりも苦労しているでしょう。
心当たりがあるのではないでしょうか? 今、ゆとり世代以降で会社にいるメンバー(2023年現在の30代以降)は会社の中でも優秀な層が多いと。
リーマンショック立て直し組の自慢乙
私の転職の時は、「アプリ作れないの? じゃあいらない」「タイピング遅くね? いらないわ」って感じで散々面接で落とされました。その度に努力して、独学でスキルを習得しています。
難題を与えられて、ひたすら磨いて、仕事における行動資本を上げてきたって感じでしょうか?
でも、Z世代は違う。
超売り手市場で、ダイアモンドの卵と言われている世代で、かつ、採用の仕組みがクリーンとなっています。
すると、行動資本を実務に耐えられるレベルで持っていない方も雇わないといけません。そして、できないことを指摘されて、就活で行動資本を上げる経験をすることもないのです。
就活難はできる人を選ぶフィルターとなっていた?
そうね。
苦労と言えば、文系と理系の格差が開いていると感じます。
理系や大学院生は、わからないことをできるようにしないと、卒論は書けません。なので、仕事に対する行動資本が高くまとまっている印象を受けます。
ですが、文系は「あ、察し」って感です。特に、実務と関連しない学部が酷い。 文学部、福祉(介護ではない)、芸術がね……。
やつら、資格すら取ってないもん。
ともかく、大学から就活の間に苦労していない層の「行動資本」の低さが目立ちます。
Z世代の行動資本を上げるには?
さて、そんな、仕事における「行動資本」が低い、若手を戦力にするためには、どうしたら良いでしょう?
私が今考えている方法は「スパルタ教育」です。
ひえっ。またセクハラで訴えられるぞー
その話はやめろ!
でもでも、そうしないといかんと思うですよ。
これまで述べた仮説が正しいとするなら、大学から就職の間に「できないことを指摘されること」「努力してできるようにした経験」が足りないと思うのです。
指導方法としては、できる方には「抽象度の高い課題を与える」
できない方には「細かい指示で一通り作業をさせたあと、『どうしてこうなったの? 』を問い続ける」
更に目のない方は「褒め殺してやめないようにして飼い殺す」。
それ、諦めてるやん……
行動しないと淘汰されてきた世代だからこそ、次の代に伝えるのは仕事における「行動資本」だと思っています。
特に、ITエンジニアなんて、ゲームのように技術を習得していかないと生き残れないので、必要とされる資質です。
どうしても行動しないと生き残れないような状態に追い詰めて、答えを出す経験をしてもらおうかと。
そうすれば行動資本は伸びていくのではないでしょうか?
まとめ
新人さんの指導をするようになって、ゆとり世代、氷河期世代との差を感じました。
老害の「近頃の若者は!」って話になっていきますが、上の2世代と比べると、違和感があるなと。
その原因として考察されるのが、超売り手市場によって、行動資本が無い人を雇わないといけなくなった点。就活による競争率の低下で、行動をする経験をしなくても社会人になってしまえる点です。
上記の過程が正しいとすると、行動する経験を積ませるのが大事だと感じました。
そのためには、古典的に「スパルタ教育」しか無いよね!
また嫌われて訴えられるぞー!
ひえっ、次の世代のためには毒にもなるさ。